ボブ・ディランがノーベル文学賞を受賞することが決定しました。

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10年くらい前からのディランファンの僕としてはこのままノーベル賞受賞をシカトし続けて、人間の権威なんていうものを嘲笑し続けてくれることを期待していたので、本人が受賞を承諾することに決めたことは少し残念ですが、

日本ではディランの歌詞の意味も考えずに、「ディランだったらポール・マッカートニーでもいいんじゃない?」などと言っている残念な人たちがいるので、少しディランの歌詞を解説しときます。

といっても、僕自身は文学センスがかなり低めの理系xビジネス思考の人間なので、偉そうなことは言えませんが思ったことをつらつらと。

「風に吹かれて(Blowin’ in the Wind)」はディランの代表作です。

How many roads must a man walk down
Before you call him a man?

(人が成長するまでに、いくつの道を歩いていかなければいけないのだろう?)

How many seas must a white dove sail
Before she sleeps in the sand?

(ハトが砂の上で眠ることができるまでに、いくつの海を越えていかなければいけないのだろう?)

Yes, and how many times must the cannon balls fly
Before they’re forever banned?

(大砲が永遠に廃止されるまで、いくつの弾が飛んでいくのだろう?)

The answer, my friend, is blowin’ in the wind
The answer is blowin’ in the wind.

(解えは風の中に吹いている。)

さて、これだけ読むと単なるベトナム戦争に対するプロテスト(抗議)ソングです。
解えは風の中、で終わってしまいます。

真実はわかりません。

確かに当時だけでなく、現代でもシリアだったり、イラクだったりですごい人数の人たちが虐殺されていることを考えると、

”時代が変わっても”人間の性質は変わらない、人間の醜さに対するプロテスト・ソングと捉えられるので、良い歌詞だとは思います。

「結局真実はわからない」
「真実なんていうものはない」

といった無神論的な解釈になりますね。

しかし、ディランは単なる無神論者でではありません。
彼はユダヤ人であり、キリスト教徒でもあります。

ただし、ディランがキリスト教徒になったのは、1970年代なので、「風に吹かれて」を作詞する前ですね。

ディランがどこまでユダヤ人としての信仰やアイデンティティを持っていたのかは知りませんが、この虐殺の歴史を一人のユダヤ人としてナチスによるユダヤ人大虐殺(ホロコースト)などの歴史と重ね合わせていたとしても不思議ではありません。

そしてユダヤ教徒が聖典として信じる旧約聖書では「風」は「神の息」を表わします。またキリスト教徒にとって「ハト」は「神の霊(精霊)」(マルコによる福音書1章9節 )に対する比喩として用いられます。

絶対的な神を信じるユダヤ教徒や、キリスト教徒にとっては

「真実」とか
「解え」

といったものは神との関係の中で悟るしかないのです。

私たちがその真実を悟るまでは、「神の霊」はいくつもの海を越えていかなければいけないようです。

だからこそ、彼は”I want you”という曲の中で

I want you, I want you
I want you so bad
Honey, I want you

「あなたが欲しい」と何度も繰り返し真実を求めているように見えます。

なお、「風に吹かれて(Blowin’ in the Wind)」はボブ・ディランのオリジナルバージョンももちろん良いですが、ピーター・ポール・マリー(Peter Paul and Mary)という三人組がカバーしているので、こちらもオススメです!


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